
皆様、こんにちは。井上久恵です。
今日は更新契約で、お客様のご自宅に訪問して参りました。
訪問での更新契約はこれで3回目になります。
前日にしっかり準備を整え、朝からの外出でしたがバタバタ慌てることなく、
余裕を持って出発することが出来ました。
ようやく慣れてきたことを実感します。
お客様A様は、生まれつき弱視の為自由に行動することが出来ません。
外出もままならず、手続きに必要な書類を一人で揃えることが出来ないため、
私が一緒に同行することになった次第です。
そして、視力障害の方の補助は今日が初めてでした。
ご自宅に伺い、まずはご挨拶。
いつもはここでスッと名刺を出すのですが、名刺を差し出すことを一瞬躊躇してしまいました。
名刺は文字が小さく、視力が弱いA様にとって必要かどうか分からなかったからです。
ですが、きちんと名乗り、さらに私の身分を理解して頂くことがA様の安心に繋がるのではないかと考え、
「これは名刺です」とA様にお渡ししました。
A様に私の腕を貸し、一緒にご自宅から役所に向かいました。
役所に向かっている最中、役所で手続きを待っている間、本当に沢山のお話をさせて頂きました。
途中、「ATMで賃料を振り込みたい」とお願いされたので、銀行のATMに立ち寄りました。
私たちが普段当たり前のようにピッピピッピと操作している画面がA様には良く見えず、
画面に触れてしまいそうなほどお顔を近付けて操作していました。
光の当たり方によっては全く見えなくなってしまうそうです。
また、役所で書類を整える際は、請求用紙に文字が書けない為「代筆をお願いします」と頼まれました。
「いつもサインが必要な時には、必ず代筆をしてもらっている」とA様は仰っていました。
これにより、更新契約書にも私が代筆で署名押印させて頂くことになりました。
果たして自分が見えないものに代筆してもらうことに、不安を感じないのでしょうか?
皆様はどうお考えになりますか?
私はきっと不安に感じると思います。
ですから、更新契約書の内容をいつも以上に丁寧に説明し、A様に安心して頂こうと努めました。
すると私の様子を察知したのかA様は「大丈夫ですよ。今までに井上さんは、私の話を沢山聞いて下さり、
また井上さんも沢山のお話をしてくれたので、私はもう安心していますから。」と仰って下さいました。
私はA様のその言葉に思わず目が潤みました…。
A様は宝塚歌劇団の大ファンで、宝塚に無知な私に色々なお話を聞かせて下さいました。
お目当の方の衣装とそっくりなものをご友人の手を借りながら何ヶ月も掛けて作り、
A様のお気に入りのクマの人形にそれを着せて写真を撮り、ファンレターと一緒に送っているそうです。
(この写真はその時A様が持っていた、衣装を着たクマの人形を撮らせて頂いたものです)
「宝塚歌劇団の華やかな世界と歌は、生きる喜びと励みになる」と力強く仰っていたA様がとても印象的でした。
今回の訪問も、私にとって忘れられない、学びの多い更新契約となったのは言うまでもありません。