
皆様、こんにちは。山口幸夫です。
新年度を迎え、街では新入社員と思われるフレッシュマンを
見かける季節になりました。
新しいスーツに身を包み、あの初々しさを見ると、
何故かこちらも気持ちが高揚してきます。
新年度は、引越しシーズンでもあります。
皆さんは引越し蕎麦の意味をご存知でしょうか。
ある調査で、引越し蕎麦の意味をちゃんと理解している人は2人に1人、
半分しかいなかったという結果が出たそうです。
私自身も意味などあまり深く考えたこともなく、昔テレビドラマで引越しのシーンがあり、
「荷物も片付いたし、引越しそばでも食べに行こうか」といセリフを覚えているくらいです。
引越しをしたら、引越し先で自分がそばを食べるという風習がどこかにあったのだろうと
思っていました。
せっかくですから、引越し蕎麦の由来について調べてみました。
元々は江戸時代が始まりで、「細く、長く、切れない」や「末永くおそばにいたい」といった、
お付き合いの意味合いが込められていて、「おそばに引越してきました」という、
江戸ならではの洒落言葉にかけたものだそうです。
また、当時は引越しの際に、小豆入りのお餅やお粥などを入れて振る舞うのが慣わしだったそうですが、
小豆は高価な代物であったため、代わりに安価な蕎麦が振る舞われるようになったともいわれています。
引越し蕎麦とは、引越して来た人が、お近づきの印としてご近所に振舞う蕎麦のことだそうです。
自分が食べるという意味ではありませんでした。
私は、自分が食べることだと理解していたので、自身の食に対する欲の深さを恥ずかしく思った次第です。
昭和のはじめ頃には普通にあった習慣でしたが、現在ではすたれつつあり、もう数十年もすれば
完全に無くなってしまうかもしれません。
引越しシーズン真っ只中。
もしこれからお引越しで、ご近所への挨拶廻りの手土産を迷われている方がいらっしゃれば、
お蕎麦をお持ちしてみてはいかがでしょうか。
ご年配の方などは、懐かしさもあって一気にお近づきになれるかもしれません。
「近所付き合いなんて」と煩わしさを感じる方もいるかと思いますが、近所で何か事件や問題等が
あった場合には、ご近所の方との協力が不可欠です。
「おそばに引越してきました」と言いながらお蕎麦を渡す。
そんな粋なご挨拶は、かなりインパクトがあってご近所の人気者になるかもしれません。
私はこれから先、残念ながら引越しをする予定はありませんが、
昔ながらの慣わしは続いてほしいと願っております。