2016年05月16日
営業活動日記 「『無尽』と呼ばれる、賢いお金の使い方」

皆様、こんにちは。西村友里です。

先日、横浜中華街で数十年にわたり、不動産の管理をされているお客様を
訪問して参りました。
このお客様は、管理をしているご自分の店舗が空室になると、いつも弊社に
連絡をくださり、募集を任せてくださるお得意様でもあります。


この日訪問したのは、弊社で募集活動を行っている中華街の店舗をご紹介するために伺いました。
その際に、お客様から大変興味深いお話をお聞かせいただきました。
それは中国の人が現金を多く持っている理由についてです。
中国の人は「無尽」(むじん)と呼ばれる方法でお金を回しているとのことでした。

お話を聞いたときには、無尽が中国独自の方法だと思っていたのですが、
調べてみた結果、実は山梨県の習慣であることが分かりました。
無尽とは、月に1回程度、特定のメンバーで集まって食事や飲み会を行い、
その時に食事代とは別に、お金を出し合って積み立て、メンバーが順番に使ったり、
グループの目的のために役立てたりすることです。
この風習は『助け合いの精神』から生まれたそうです。


鎌倉時代に始まった庶民同士の融資制度が始まりだそうです。
冠婚葬祭等、まとまったお金が必要になった時、お互いに助け合うために作られました。
それなりの頻度で集まり、しかもお金が絡んでくるとなると、メンバー同士の信頼が必要になりますが、
山梨県では昔から住民同士のつながりが強いので、このような独特の習慣が発展したそうです。
その後、金融サービスが発達して融資し合う必要はなくなりましたが、既に生活に根づいていた
仲間で集まるという習慣は残りました。
現在では、積み立てをする人たちもいるそうですが、必ずしもお金を出し合うわけではなく、
特定のメンバーでの定期的な飲み会を無尽と呼んでいる人もいるようです。

メンバーの人数は、平均1人~3人が多く、付き合いの多い方は、10~20人のメンバーがいるそうです。
最近は人間関係が希薄になり、どの無尽にも属していないという人も増えています。
メンバーは学生時代からの友人や職場の友人、趣味の仲間など、気の合う人同士というのが基本で、
老若男女問わず、幅広い世代が集まります。

無尽を行う場所としては、居酒屋やレストランが多く、休みの日などはキャンプに行ったり
バーベキューをしたり、食事をしたあとにスパでリラックスしたりと、様々な形で行われています。
その日集まったお金を各メンバーがローテーションで持って帰る形が主流だそうです。
例えば、メンバーが5人いて1人1万円を払うとすると、合計5万円を1人の方が持ち帰ります。
使い道はそれぞれに任されているので、貯金をする人もいれば、欲しかった物を買う人もいます。

一方、目的を決めて積み立てをするグループもあります。
例えば、旅行好きの集まりならば、目標金額が貯まったらそのお金を使ってみんなで旅行をする。
毎回食事代を少し多めに徴収して積み立てていき、忘年会でパーッと使う等というケースもあるそうです。

無尽により楽しみが増え、充実した生活を送っているという人も多く、
定期的に気の合う友人に会い、おいしい物を食べて飲む。そして次の無尽の約束をする。
こうやって仲間とつながっていることで毎日が頑張れるとのことです。

また、たくさんの無尽に参加している人ほど長生きをするという話もあり、
山梨県民の生きがいに繋がっているそうです。
(参 考: マイナビニュース「山梨県民が楽しみにしている「無尽」の習慣って一体何?」)


大事なお金をそれぞれが出し合うので、本当に信頼関係が必要だと思います。
無尽についてどう思うのか、人それぞれの考え方があるかと思いますが、
このような風習があるということを学ぶことが出来て良かったです。

 

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