
皆様、こんにちは。山口幸夫です。
今日は「相手の立場になって考えることの大切さ」を
改めて知ることになった出来事についてお届けいたします。
先日、弊社に来店してきた若いサラリーマンの男性がいました。
笑顔で元気も良く、印象は決して悪くありません。
しかし、挨拶の際の次のコメントにびっくりしました。
「私、株式会社〇〇の〇〇と申します。
今日は、名刺交換の研修の一環で訪問しました。名刺交換をお願いします。」「・・・・・・。」 私は一瞬唖然としました。
突然来店し、こちらの仕事の都合も無視して、自分の名刺交換の実習のために
名刺交換しろというのですから、いかがなものでしょうか。
新卒の研修生なのかもしれませんが、もう6月も半ばです。
私は決して名刺交換がダメと言っているわけではありません。
単刀直入にいうのではなく、社会人なのですから、もう少しマシな言い方を考えてほしいと言いたいのです。
きっとこの時の私は、彼の前で変な顔をしていたと思います。
まったく悪びれることもなく、満面の笑顔を振りまいている彼に対して、人の良い私は名刺交換をしてあげました。
心の中で「うちの死んだ親父だったら、『お前の研修に付き合っている暇はねえ。会社でやってろ』と
怒鳴ってるだろうな」と思いながらでしたが。そしてこれは正に私の本音でもあります。
驚くことに受け取った相手の名刺を見ると、その会社は企業への人材紹介を行っている研修会社でした。
見かねた私は、その会社へ電話をして事の経緯を説明し、会社として研修の一環で名刺交換のための外訪を行わせているのかお聞きしました。
当然、そんなことはしておらず電話口の相手はただただ平謝りでした。
もちろん、この会社の上司は営業活動の一環として、他社に出向き名刺交換も学んできなさいという
気持ちで新人を送り出しているのでしょう。社内研修の中で名刺交換の際のマナーなどのロールプレイングを行い、実際に外訪することで
研修の成果を試そうという考えは理解できますが、社内的な目的を口にすることは素直といえば素直ですが、
もう少し頭で考えて行動に移すべきであったのではないかと思います。
『今の若いものは』とか、『ゆとり世代は』などとは言いたくありませんが、
言われたことをそのまま行うだけで、この言葉を言ったら相手はどう思うだろうかなどと
相手の立場に立って考えることが出来ない人が、本当に多くなっている気がします。
今回、訪問してきた彼などは正にその最たるものです。
研修の一環であると口にして、名刺交換だけを求められた相手がどう感じるかなどは、
まったく想像することができないのです。逆に言えば、その会社の指導者は、
このようなことまで想定して「研修の一環でというのはあくまで社内の目的だから
絶対に外訪の時に言わないように」と指示しなくてはならないということになります。
言葉の言い回し、相手にどのように伝わるのかなど、
言葉というものは、電話やメールの際でも大変神経を使うものです。
弊社代表も常々言っていますが、「相手の立場になって考える」ということに尽きるように思います。
かくいう私自身も、まだまだ足りないことばかりです。
お客様、仕事の仲間、友人など人間関係において相手に対してどれだけ分かりやすく、
そして失礼のないように伝えることができるか、常に意識を持ってコミュニケーション能力を高めて
いくようにしたいものです。