
皆様、こんにちは。井上久恵です。
先日、家賃滞納者A様と弊社代表の面談があり、私も同席させて頂きました。
面談前に、ここ1年のA様の家賃支払い状況を資料にまとめてみました。
現在1月分の賃料が未払いだということは分かっています。
しかし、数値化、書面化すると状況がさらに露わになり、
ひどい時には60日以上支払いが遅れていることもありました。
今年の9月で賃貸借契約が満了になるA様。
この状況では、更新料の支払いも難しいと判断し、
面談では退去を前提として、滞納家賃を含め今後家賃の支払いをどうしていくか、
話を進めることになっていました。
A様との面談が始まりました。
A様には資料をお見せしながら、一緒に支払い状況を確認して頂きました。
さらに、A様から「〇月分の家賃を・いつ迄に支払うのか」という言質をとり、私は作っておいた「催告書」という資料にそれを落とし込んでいきました。
もしもの時の催告書です。A様から記名・押印頂くため、
正式な書類を作成しに私は一旦その場を離れました。
この間、弊社代表はA様から近況やこれまでの経緯を上手に聞き出していました。
あとから代表から伺った話では、
A様は半年ほど前に交通事故に遭い、通院を余儀なくされたそうです。
事故の影響で思ったように働けず、通院で費用が掛かるため家賃を削ってしまったようです。
さらにA様は事故の件で弁護士も立てたのですが、A様は交渉に応じていないのに
「勝手に示談が成立しており、弁護士費用もしっかり取られてしまった」と
散々な目に遭い、参ってしまったようでした。
A様は新築当時から10年住んで頂いているお客様です。
この面談時に、この期に及んで
「『家賃を下げて欲しい』と一言でも言われていれば、許さなかった」と代表は仰っていました。
A様は代表に正直に状況を説明し、さらに交渉など入れずに
「住みつづけたい」という意志をしっかり示されました。
A様の事情を汲んだ代表は、「(代表との)一対一の約束を守れるなら」という条件で、
今後も住み続けて頂くということで、この件は落着しました。
こうして家賃滞納者と実際にお会いしてみると、
「家賃は滞納しているけど、悪い人じゃない」という方ばかりなので、
逆にいつも「困ったなぁ」と感じてしまいます。
先日も、以前弊社でご契約頂いたお客様が、諸事情による(?)家賃滞納のため、
引っ越しを余儀なくされ、弊社に再び部屋探しにお越しになりました。
「立派なお仕事に就いていらっしゃるのに、人は分からないものだなぁ」と
皆で首をかしげたことがあったばかりでした。
卑怯者や極悪人ではないからこそ対処に戸惑ってしまいます。
しかし、私共はオーナー様の大切な財産をお預かりしている以上、
やはり取締りの手を緩めるわけにはいきません。
代表もA様に、最後にしっかり、こう伝えていました。
「私はいつも甘い顔をするわけではありません。次はありませんよ。」と。
これからも入居者様の状況を鑑みながら、適切な対応を取って参ります。