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皆様、こんにちは。西村友里です。
3月がスタートしました。2月は目が回るような忙しさで、ついつい日記を疎かにしてしまい、代表の雷が落ちてきました。いつも日記をお読みいただいている皆様には、大変失礼いたしました。申し訳ございません。
4月の入学・就職・転勤シーズンに合わせて、賃貸市場は例年どおりの繁忙期を迎えております。
1月に入り、弊社の管理物件にお住まいのお客様からは、ご転勤やご結婚を理由に、退去の連絡が続々と入ってまいりました。
賃貸借契約時に借主様へ説明する内容の中に、退去立合い時のお約束事がございます。これからお部屋を借りて頂くのに、退去の話をするのもおかしな話ではありますが、一応お伝えしておかなければならないことなので、きちんとご説明をさせて頂いております。「退去立合いを行うときには、お部屋の中にある荷物を全部出して、入居前と同じ空の状態でお引き渡しください」とご説明いたします。また、実際に借主様から退去希望のご連絡を頂いた際にも、再度ご説明をさせて頂きます。
ほとんどの借主様が退去立合日にはお部屋を空にして、お約束通り私が退去立合いにやって来るのをお部屋で出迎えて下さいます。しかし、偶に「えっ」と思うような出来事もございます。
先日の退去立合いで伺ったお部屋がそうでした。
私が退去立合いを行うアパートに向かって歩いていると、ちょうど建物の外観が見え始めたところで、年配の女性がそのお部屋に入って行く姿をみかけました。このお部屋の入居者様は、20代後半の男性のはずなので、きっとご家族の方がお引越しのお手伝いに来ているのだろうと思いながら、お部屋のチャイムを鳴らしました。
扉が開き、玄関に出てきた方は、先ほど見かけた女性で、お顔に見覚えがあります。そうです。こちらのアパートの向かいにお住まいのS様ではありませんか。「あれ!S様ではありませんか?」と話し掛けると、S様は「今日退去するっていうのに全く準備が出来ていないから手伝ってあげているのよ」とのこと。
その言葉に「えっ」と思い、お部屋を覗いたところ、お部屋の中にはまだたくさんの荷物が残っていました。
このような経験は、今までにも何度かあったため、それほど驚きはしませんでした。奥の部屋で荷造りをしていた借主様に、「これらはどうするのですか?今日引渡しですけど。」と声を掛けたところ、S様が「うちの敷地内に一時的に置いといてあげるの。また分別してゴミの日に私が出してあげるのよ。」とおっしゃいました。
今まで数々の退去立合いを行って参りましたが、あかの他人であるご近所の方が、お引越しの手伝いをし、ご自身の敷地内にゴミを置かせて下さり、更にはゴミの日に
分別してゴミ出しまでやって下さる親切な方はおりませんでした。
ここが田舎であれば納得がいきますが、横浜でこのような出来事があるとは夢にも思いませんので、とても驚きました。
失礼ながら、このお部屋の借主様は「退去する」という連絡を頂いたにも拘らず、半年間の間に何度も退去日を延期されてきたお客様で、このような方は珍しく、正直私はあまり良いイメージを抱いておりませんでした。しかし、S様いわく「この方はきちんとしていたから、手伝ってあげているの」というお話を伺い、借主様のお人柄の良さにより、S様が親身になっていることがわかり安心しました。
その後、時間は掛かりましたが、無事に退去立合いが終わりました。
現代では、ご近所付き合いなどしたくない方が多く、他人に干渉されたくないし、干渉したくもないという理由から、挨拶さえしない人が多いそうです。賃貸の場合、特にこのような傾向が目立ちます。都会ならではの希薄さなのだと思います。
いざという時に助けてくれる人がいるということほど心強いことはありません。今回の借主様も、ご近所の方と良い関係が築けていたため、困ったときに助けてくれたのです。
私も見習いたいと思います。