
皆様、こんにちは。井上久恵です。
前回の日記の続きです。
ある夜、招かれざる客が我が家に侵入してきました。
スバリ、それは蜘蛛でした。
皆様の自宅にも、蜘蛛くらい出るかと思います。
私も実家や、今までに暮らしていたところや、店舗事務所で
何度も目にしているので、慣れたものです。
時には「もっくん」と勝手に名づけ、まるで家族の一員ように思ったりもします。
が、しかし!この時の私は、珍しくいつもと気持ちが異なっていたのです。
まずは、夜蜘蛛だったこと。
誰に教わったのか、「朝蜘蛛は縁起がいい」とか「神の使い」と聞き、
殺すことはまずありませんでした。
見て見ぬふりとか、「もっくん、おはよう!」とかそのくらいで、
特段気にしていませんでしたが、この時は夜、
天井に張り付いているのをたまたま目にしました。
そして、いつもと違うのは時間帯だけでなく、蜘蛛そのものの姿形でした。
ここ近年、セアカゴケグモという神経毒を持った外来種が日本各地で発見されたと
ニュースを見ていたこともあり、
いつも私が見ている蜘蛛の種類とこの日見た蜘蛛は明らかに違っていて、
「寝てる間に刺されて、麻痺して、最悪死んだらどうしよう・・・」と
その蜘蛛のことも大して知らないのに、恐怖心と妄想が先に立ちました。
そして、心を決めたのでした。「殺すしかない・・・!」と。
今思えば、逃がせばよかったと少し後悔しています。
この話を会社でしたところ、私が袋叩きにあったからです。
でも、私にも言い分はあります。
心に決める少し前、いつものごとく蜘蛛について調べたのです。
【夜蜘蛛について】
「夜蜘蛛は親でも殺せ」ということわざがあるくらい、縁起の悪いものの象徴として
見つけたらすぐに殺せという説もあるそうです。
この一文だけを見て、私は決意を固め実行したのですが、
よく調べるとその先にも色々云われがありました。
朝蜘蛛・・・福を招く
夜蜘蛛・・・不幸を招く
夜に蜘蛛の姿を見ると盗人が家に来る前触れ、だとか
夜蜘蛛は地獄の使いとの云われもあるようです。
昔の人は明かりのない夜を過ごしていました。蜘蛛のグロテスクな姿と
夜の不気味さが結び付き、夜蜘蛛は縁起の悪い生き物としてとらえられたそうです。
一方夜蜘蛛でも、
蜘蛛は神聖な生き物だから殺してはいけないとか、
ドイツでは、夜の蜘蛛は希望の象徴だとか、
アメリカでは、蜘蛛の巣は悪い夢を取ってくれるありがたいものだとか
縁起のいいものとして捉える傾向もあるようです。
そして、朝蜘蛛夜蜘蛛問わず、家蜘蛛というのは
家の中のゴキブリやハエ・蚊・ダニといった害虫を食べてくれる
人間にとってもありがたい生き物だと締めくくられていました。
ちなみに、私が目撃した蜘蛛は調べてみると、「ヒラタクモ」という
家蜘蛛の一種でした。
結論がここなら、先に持ってきて欲しかった・・・!
これを読み終わるころには既に、誠に残念ではありますが
事の決着がついていたからです。
私は友人のように虫によってノイローセーにはなりませんが、
無駄な殺生はせず、私は私で上手に付き合っていかなくてはいけないなと
少し反省したのでした。