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皆様、こんにちは。山口幸夫です。
日本銀行が1月28日と29日に開いた金融政策決定会合で、
これまで実施してきた量的緩和策に加えて、金融機関から預かっている
当座預金の一部に対してマイナス金利を付与することを決定しました。
このマイナス金利とはどういう仕組みなのか。
我々の生活にどのような影響があるのか調べてみました。
インターネット等で調べると批判なども含めて、たくさんの情報が溢れていてよく分からなくなってきます。
私なりにまとめたところ以下の事実と期待があるようです。
① 私たちの預金の金利がマイナスになるわけではなく、
一般の銀行が日本銀行に預けているお金に対する金利がマイナスになる(= お金を預けるだけで預金が減っていく)
② 一般の銀行は日本銀行に預けず、もっと融資を増やすようになることに期待
③ 世の中に出回るお金が増え、円安になることに期待
④ 円安になれば日本の輸出産業が潤うことに期待
⑤ 住宅ローンについては追い風と言えそうです。
私たちが普段銀行に預けているお金に対する金利がマイナスになるわけではなく、
一般の銀行が日本銀行に預けているお金に対し、金利がマイナスになります。
つまり、お金を預けるとお金が減っていくということになるのです。
これからは、一般の銀行は日本銀行に預けると逆にお金が減ってしまいますので、
日本銀行ではなく、企業など他のところにお金を貸し出そうとするようになり、
そうなれば、企業はもっと投資を行うことができ、ビジネスを拡大することができます。
企業の業績が良くなれば、その企業で働く社員の給料もアップし、消費が増えるので、
景気が良くなることが期待できるという狙いがあるようです。
しかしその狙いに対しての反対意見として、銀行にはお金が余っているので、
銀行が融資したいという企業があれば、もうとっくに融資しているはずと言っております。
今までは、銀行がお金を貸したいと思うような優良企業がなかったので日本銀行に預けており、
いくら銀行にお金があるからといっても、企業向けの融資がどんどん増えるようなことにはならないとのことです。
そうすると、融資をしやすいのは、不動産担保ローンのように担保が取れる融資となるのではないでしょうか。
もし融資が返済されない場合でも、担保を差し押さえれば良いので、銀行としてはリスクが限定できます。
世界に目を向けるとデンマーク、スウェーデン、スイスなどマイナス金利を導入している国はいくつかあります。
余談ですが、デンマークでは住宅ローンを変動金利で借りている人が毎月、取引銀行から利子を受け取っています。
住宅を買うために銀行から借金をしているのに、借金をすると利息がもらえるのです。
そのため住宅を買う人が増え、デンマークとスウェーデンの住宅価格は上昇し、主要都市では住宅バブルへの
懸念が広がっているそうです。
これも余談ですが、今回の「マイナス金利」について1月29日公表されたことには、理由があるそうです。
実は1月29日は、同日に公表された様々な経済統計(鉱工業生産指数、家計調査など)の数値が悪く、
景気の減速が懸念されるような内容でした。
そのため、円安を支え、日本の景気を持続させることが目的としてあったと言われています。
住宅ローンの動向については、金利がより一層低下する可能性が高いという見方が強いです。
銀行の担当者に話を聞きましたが、長期金利については日銀の影響は小さいようですが、
変動金利に関しては大きく影響するようです。今回のマイナス金利の発表により変動金利については
今後、金利が下がることはあっても上がる要素は見られないとのことです。
銀行担当者は、変動金利と固定金利の比較であれば、変動金利を勧めますとはっきり言っておりました。
私自身は約9年前に住宅ローンを組んだのですが、時はリーマンショック前の金利上昇が謳われていた頃でした。
10年固定金利を選択したのですが、いま振り返るとその判断は誤っていたと言えます…。
こんな私ですが、住宅ローンのことで何かご不明なことなどあれば、どうぞお気軽にご連絡ください。
各銀行の住宅ローン担当者からの情報などお知らせすることが出来ると思います。