
皆様、こんにちは。西村友里です。
今日はとても驚いた出来事がありました。
ちょうどお客様の接客が終わり、ほっと一息ついていたところに、
60歳くらいの女性がご来店されました。
そのお客様は、店頭の掲示しているチラシを指さしながら、
「あの物件の資料を頂けませんでしょうか。」とおっしゃられました。
お客様がご希望された物件は、弊社の事務所から徒歩10分ほどのところにある建築中の店舗でした。
この店舗は6月末に完成予定の弊社の管理物件です。
「どんな業種をお考えですか」と伺ったところ、
「私が探しているのではなく、私は代理なので資料だけ頂けないでしょうか。」とのこと。
少し警戒心を抱いているように思えたので、すぐに資料を用意して、店舗のご説明をいたしました。
熱心に話を聞いてくださったため、「ここからこの店舗までは近いので、宜しければご案内致しましょうか。」と
投げかけてみたところ、「近いのであれば、お願いしても良いですか。」とおっしゃられたので、
急遽現地をご案内することになりました。
女同士、外に出て2人きりになるとお客様は警戒心が消えた様子で、
「知り合いの知り合いがエステをやりたいと考えている。人を介して話を聞いているため、
実はまだ具体的にはどのようなことをやりたいのか、また予算はいくらぐらいを考えているのかなどは
分からない。」と話し始めました。
ご案内した店舗は、中華街の南門シルクロードに面する1階店舗で、場所柄それ相応の賃料です。
建物は建築中で未完成ですが、もしこのままテナントが決まれば、オーナー様はきっと喜んで下さる。
そう思うと私の心は、嬉しさのあまりウキウキしていました。
目的地まであと半分くらいの頃、お客様が私に「上着も着てないけど、寒くないの?」と質問をしてきました。
私がコートを羽織らず出てきたため、お客様に気を遣わせてしまったことを申し訳なく思いながらも、
「いっぱい着こんでいるので大丈夫です!」とお返事をしたところ、「あっ、私今日はオフだからこんな服装を
しているけれども…」といいながら、何やら鞄の中を探り始めました。
私の頭の中は、もしかして大手会社の社長さんなのかな?それとも政治家?もしくは私服警官等と、
お客様の職業についていろいろな想像をしていました。
しかし、突然私の前に差し出された名刺を見て、私は思わず絶句してしまいました。
その名刺には、見覚えのある会社名が書かれておりました。
一般のお客様だと思ってご案内をしていたのは、実は『不動産会社の営業担当者』だったのです。
どうみても普通の女性にしかみえず、まさか不動産会社の営業だとは思いもよりませんでした。
基本的に私たち営業担当者は、ご案内は一般のお客様に対して行います。
もしくは、業者が一緒だったとしても、それはお客様がいてのお話です。
弊社の代表は、不動産会社向けの研修や講演も行っておりますので、業者もお客様ではありますが、
本来他社の営業担当者だけを、現地へご案内することは致しません。
一般のお客様だと思い込んで案内をした私も私ですが、業者を案内したのは業歴4年目で初めての出来事でした。
よくよく話を伺うと、この女性はこちらの会社に入社したばかりで、業者間のルールなどは、
何もご存知ではありませんでした。
女性に悪意がなかったとはいえ、私は天国から地獄に突き落とされた気分になりました。
結局、最後までお付き合いをして新築店舗をご案内し、会社への帰路、代表に電話で報告をしたところ、
大笑いされたのは言うまでもありません。
ヒアリングの重要性を改めて感じました。
一日も早く良いお客様に借りて頂けるよう、引続き募集活動を行って参ります。